2006-09-17

銀河の種類の話

銀河にはさまざまな種類があります。銀河系がSb型かSBb型かという話を書きましたが、これは形状をもとにしたハッブルの分類を基準にした表現です。

ハッブルの分類によると、銀河は次のような種類に分けられます。
 
 渦巻銀河 :Sa 型 → Sb 型 → Sc
 棒渦巻銀河SBa 型 → SBb 型 → SBc
 楕円銀河 :E0 型 → E1 型 → … → E7
 不規則銀河Irr

渦巻銀河・棒渦巻銀河のa,b,cの記号は、渦の巻き方がゆるいものからきついものへの変化を表します。また、楕円銀河の0,1,…,7は、数字が大きいほど回転楕円体の短軸と長軸の比の1:1からのズレが大きいことを表します。

ただし、これは形状のみに注目した分類で、その起源や性質については考えていません。例えば、楕円銀河は、渦巻銀河よりも巨大なものが多いですし、不規則銀河は複数の銀河が合体(マージング)してできたものらしいということがわかってきています。

さらに、X線で明るく見えるものや赤外線で明るく見えるものなどさまざまです。中には、2つの銀河が衝突しつつあるように見えるものもあります。

天の川は銀河系を内側から眺めた姿ですが、射手座付近には銀河系の中心があります。天の川を赤外線で撮影すると、まさにディスク(渦巻銀河の腕の部分)とバルジ(渦巻銀河の中心部にある球状構造)が見事に見えてきます。

銀河の中心には何があるのでしょうか?

最近の研究では、太陽の200万倍程度の質量をもつブラックホールがあると考えられています。銀河の中心部を銀河中心核といい、特にX線などの放射量が多いものを活動銀河中心核(Active Galactic Nuclei = AGN)と呼んでいます。

このような中心核の活動性に基づく分類もあります。

セイファート銀河(Seyfert Galaxy)

輝線に幅の広い成分が存在する1型とそのような成分の見られない2型に分類される。

クエーサー(quasar)

遠方に見られる異常に明るい天体で、以前は銀河中心核との関係は不明であった。現在観測されている最も遠い天体もクエーサーの仲間である。

ライナー(LINER)

セイファート銀河やクエーサーに比べると低電離の輝線が強いのが特徴。近くの銀河の1/3がこのグループに分類される。

ブレーザー(Blasar)

激しい明るさの変動があり、偏光している。降着円盤の中心から垂直方向にジェットが吹き出していて、その進行方向から観測しているのだと考えられている。

電波銀河(radio galaxy)

文字どおり電波強度の強い銀河。M87が有名。可視光では楕円銀河に見えるが、電波で見ると銀河規模で広がるジェットが見える。

これらの銀河は、「銀河中心核の活動性が異なっていたり、中心核をどの方向から眺めているかということによる見え方が違うだけで、本質的には同類だ」とするAGNの統一理論というのも提唱されています。

銀河の謎は奥が深いです。何よりもその雄大な美しい姿を見たら、誰でも不思議な気持ちになるのではないでしょうか?