2006-09-10

銀河の話

今回は、大きく視点を変えて、マクロな世界を眺めてみましょう。

地球は太陽のまわりを公転しています。最近、惑星の仲間からはずれてしまった冥王星の平均公転半径は 5,913,520,000 km で、その先にはエッジワース・カイパーベルトや彗星の巣といわれているオールトの雲などがあります。太陽系といえるのは、このあたりまででしょう。

太陽系は銀河系の中にあり、銀河系の中心部から約3万光年の位置にあると考えられています。銀河系は、約1000億個の恒星と多量のガスで構成されていて、直径約10万光年のディスクをもち、中心部分にはバルジと呼ばれる球状部があります。さらに、全体を包みこむように数多くの球状星団ハローと呼ばれる部分に分布しています。これまで、銀河系は渦巻銀河(Sb型)であるとみなされてきましたが、最近では、中心に棒状の部分をもつ棒渦巻銀河(SBb型)なのではないかという説が有力です。

さて、このような銀河はどのくらいあるのでしょう?

直径数百万光年ほどの中に、数十個の銀河が集まったものが銀河群ですが、銀河系とアンドロメダ銀河を含む銀河群を特に局部銀河群と呼んでいます。局部銀河群は、直径約300万光年で、約30個の銀河を含んでいます。また、直径1000万光年ほどの範囲に数百個~数千個の銀河が集まった銀河団という集団もあります。銀河系に最も近いのは、おとめ座銀河団です。約6000万光年の距離にあり、約1200万光年の範囲に約2500個の銀河が含まれています。こうした銀河団が1万個以上ありますので、少なくとも数千万個の銀河が存在することになります。

さらに、このような銀河団や銀河群が連なっている、長さ3億光年ほどの大きな集団もあります。これは超銀河団と呼ばれる構造で、我々が住んでいる銀河系は、おとめ座銀河団を含む局部超銀河団(おとめ座超銀河団)に属しています。

普段、夜空を眺めていても、これだけの数がある銀河に気付くことはありません。それは、アンドロメダ銀河を除くほとんどすべての銀河が暗すぎて眼に見えないためです。澄んだ夜空を見たことはありますか?そのとき眼に写るのは、例外なく銀河系内の恒星や太陽系内の惑星だけです。しかし、その星々の隙間には、ぎっしりと数多くの銀河が埋まっているのです。

宇宙には、もっと大きな構造も存在します。それらを宇宙の大規模構造と呼んでいますが、この辺の話は今後の話題としてとっておきましょう。